Lula Japan×SEEEU 2025|アートとファッションを紡ぎ、感性を刺激する。

英国発のファッション誌「Lula Magazine」をルーツに、日本独自の進化を遂げてきた「Lula Japan」。スピード重視の情報発信とは一線を画し、個性豊かなクリエイターたちの感性を束ねて丹念に一冊をつくり上げます。紙媒体の枠を超え、デジタル、出版、展示などへと活動を展開し、アートとファッションが交差する新たな表現領域を切り拓いています。今回は、SEEEU 2025のメイン・メディアパートナーである「Lula Japan」の編集統括・鈴木和生氏と、エディターの山下瞳氏にお話を伺いました。

ファッションとアートの融合

本誌の特徴は、毎号「日本の伝統色」のひとつを号全体のテーマに据え、その色の持つ意味や背景をを多角的に掘り下げている点にあります。色を起点にアーティストをキュレーションし、時には共同制作によって新たな作品を生み出しています。他にも、色をさまざまな角度から掘り下げたファッションストーリーやインタビューなどを収録し、誌面全体がひとつの世界観として構築されています。
2025年10月に発売された「Lula Japan Issue 23」のテーマカラーは「ruri-iro(瑠璃色)」。

同号では、世界的に著名な写真家ヴィヴィアン・サッセンの作品が表紙を飾り、「瑠璃色」を題材にしたスペシャルストーリーとアナザーストーリーの2本を披露。また、SEEEU 2025に関する特集記事なども掲載されています。

編集統括の鈴木氏は、こう語ります。
鈴木「私たちは、アートと商業性のバランスを大切にしながら、日本のメディアではなかなか実現できないクリエイティブを挑戦しています。ファッション誌でありながら、アートブックとしての表現を追求するメディアでありたいと思っています。

山下「毎号のテーマカラーに基づき、アーティストをキュレーションしています。写真、ドローイング、ペインティング、コラージュ、立体作品など、ジャンルはさまざまです。単純にその色の作品が特徴的だからという理由ではなく、『この人が〇〇色を解釈したらどうなるか』という視点から、新しいものが生まれると確信できるアーティストの方に依頼をしています。時には、アーティスト同士のコラボレーションをしていただいたこともあります。」

アートに対する取り組みー出版プロジェクト「Lula BOOKS」や若いクリエイターの支援「Encounter」

Lula BOOKS第3弾「Non」

田中雅也「Duality」展示風景

「Lula Japan」の活動は、ファッション誌の枠を超えて広がり続けています。出版プロジェクト「」は2021年にスタート。雑誌の編集的視点を起点に、写真やアート、ファッションと言葉が交わる場を「本」いう形で届けています。これまでには、俳優・アーティストとして活躍するのんの写真集をはじめ、クリエイターによる多彩な作品集を刊行。出版にとどまらず、展覧会の開催やブランドとのコラボレーションによる商品展開など、多様な形でアートと社会をつなぐ活動を続けています。

Lula Japan Web「Encounter」

また、Lula Japan Webの「Encounter」は、Lula Japanの世界観に共鳴する国内外の若手クリエイターの作品をインタビューとともにバイリンガルで編集し掲載。若手クリエイターが作品を発信する場として注目を集めています。掲載をきっかけに新たな仕事や国際的なコラボレーションへとつながる例も多く、若い才能を世に伝えるメディアとしての役割も果たしています。山下「『Encounter』は、Lula Japan Web立ち上げ初期から続いている人気企画。現在は500回以上にのぼり、国内の媒体ではあまり類を見ないLula Japan Webの代表的な企画と言えます。Lula Japan Webでは他にも、キュレーションを重視したニュース記事や、若手を含めたアーティストやデザイナーへのインタビュー、ファッションアイテムをアートピースに見立てて紹介するシリーズなど、より日常的にアートに触れられる内容をお届けしています。」

Lula JapanとSEEEUの共鳴

Lula JapanがSEEEUに共感した理由を編集統括の鈴木氏は次のように語っています。
鈴木「ヨーロッパの写真やカルチャーなど、文化的な試みを東京という場所とつなぎ、作品を発表しているSEEEUのアプローチに強く共感しました。その考え方自体にも、Lula Japanと重なる部分が多くあると感じています。
また、単なる写真展示ではなく、ヨーロッパ的な写真表現や歴史、思想といったものを、東京の街並みという文脈の中で見せ、キュレーションして発表する点も非常に挑戦的で魅力的だと思いました。そうした挑戦的な姿勢は、私たちLula Japanが目指している編集方針とも通じ合う所も多く、深く共感しています。」

一方で、SEEEUから見たLula Japanは、アート的なアプローチと独自の審美眼を武器に、クリエイティブを徹底的に追求するメディアとして常に挑戦を続けている存在です。その点で、写真という表現の枠を超えて、クリエイティブの高い新しいアートの形を提示しようとするSEEEUの姿勢と深く通じ合っています。

また、Lula Japanは、ヨーロッパのルーツを持ちながら、日本発の視点でカルチャーを再編集し、国内外のクリエイターと協働しながら、多様な表現を世界へ発信し続けています。ヨーロッパと日本という異なる文化や感性を行き来しながら「対話を生み出す」ことに重きを置いているその姿勢は、SEEEUが目指す「ヨーロッパと日本をつなぐ文化的対話」と深く共鳴しています。

これからの展望ー若い才能のための場をつくり、カルチャーを世界へ

最後に今後の展望について、編集統括の鈴木氏はこのように語っています。「2026年に『Lula Japan Web』のリニューアルを予定しています。日本では、若いクリエイターが発表できる場がまだ限られていると感じています。一方で、国内には本当に優れたクリエイターがたくさんいらっしゃいます。そうした才能に光を当てた新たなコンテンツを積極的に発信していきたいと考えています。具体的には、さまざまな表現ジャンルで新しい企画を進めており、ジャンルにとらわれずに若い才能を紹介するようなプロジェクトも構想中です。こうした取り組みを通して、他のメディアとは異なる視点から、カルチャーを海外にも発信できるようなプラットフォームづくりに力を入れていきたいと思っています。」

さらに、2026年1月15日(木)に「CHANEL」のフレグランス「CHANCE」をテーマにした特別号『Lula Japan CHANEL CHANCE Issue』が発売予定。本書では、「Take your Chance!(チャンスをつかむ)」というフレグランス「CHANCE」のコンセプトをもとに、多彩なクリエイターが集まり、撮り下ろしのヴィジュアルストーリーやアート作品などを通して、唯一無二の世界観を表現します。

Lula JapanとSEEEUの今後の挑戦にも、ぜひご注目ください。

【Lula Japan】

『Lula Japan』は、イギリス発のファッション誌「Lula Magazine」の日本版として、2014年の秋に誕生しました。毎回1つの「日本の伝統色」をテーマに、4月と10月の年2回発売。アートに立脚したアプローチと独自の審美眼を武器に、時が経っても色褪せない価値のあるものを発信しています。

Europe Photo Month Tokyo

Oct 23 - Nov 23 2025

See You at SEEEU!

主催:

メインメディアパートナー:

seeeu@koi.lt

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